日本円を外貨に為替する資産運用方法は、FXだけでなく「外貨預金」という方法も存在します。銀行に行った際に目にしたことがあって、人によってはFXよりも先に外貨預金を知った、という人も少なくないと思います。
銀行が取り扱っている商品とあって、ギャンブル的なイメージがあるFXと比較して安全そうなイメージがある外貨預金ですが、実際はFXとどう違うのでしょうか?
結論から申し上げますと、手数料とタイミングの面から比較して「FX」に軍配が上がります。
FXも外貨預金も仕組みはまったく一緒
まずFXと外貨預金の仕組みについてですが、これはまったくと言っていいほど同一のものです。
日本円をドルやユーロや元やウォンなどに為替して、為替した外貨の価格が上がれば差益を得るのも同一ですし、為替先の通貨で金利による利益を得るのも一緒です。リスクも一緒で為替による差損も生じますし、為替先の通貨の金利が低くなれば金利による利益も目論見通りには得られません。
単純にFX会社か銀行かという話であって、ブローカーを介して行う為替という点ではまったく一緒です。ではどのような違いがあってFXの方が良いと断言できるのでしょうか?
為替の手数料とタイミング
実はシステムの面で非常に大きな違いが1つだけありまして、それが「実際に為替してるかどうか」という所です。
銀行による外貨預金は、実際に日本円を外貨に替えて保有します。対してFXでは顧客の資金を実際に外貨に替えているかと言うと実はそうではないのです。これについては詳しく説明すると長くなるので省きますが、FX会社が顧客の資産を直接為替しないのは証拠金制度を用いているからです。
この実際に為替してるかどうかで生まれる違いが「手数料」と「タイミング」です。
FXでは証拠金制度を用いた結果、為替の手数料はスプレッドのみ、そのスプレッドも非常に小さいです。ですが銀行による為替は実際に交換している分、事務手続きや取引にコストがかかるため、そのコスト分が顧客の手数料に乗っかってきます。
その手数料は銀行によって変わりますが、往復で3万円も掛かるなんてザラにあります。FXでは100万円もの大金を為替しても1000円未満で済むことが多く、その手数料の違いはまさに月とすっぽんです。
そして為替するタイミングもコストの分だけ悪くなります。これも銀行によって変わりますが、瞬時に取引が完了(日本円から外貨、外貨から日本円に戻るまで)する外貨貯金は存在しません。がFXは10秒以内に取引を完了させることができますし、解約手数料が掛かることもありません。
このように手数料とタイミングを比較してみると、FXの方が資産を運用する投資家にとって有利なシステムと言って間違いないでしょう。