考えられはしないけれど、もし自分が使っているFX会社が倒産してしまったら預けている資産はどうなるのだろう・・・。
安心してください。実はFX会社には信託保全という投資家の資産を守る制度を導入しなければならないと金融庁から義務付けされており、各社ごとに信託保全制度で万が一に顧客を守る準備が出来ています。
そして、その信託保全は信託法という法律で定められている制度なので、日銀が破綻しない限りは完璧に投資家を守ってくれます。
ただ、その信託保全にも違いがあり、一律に資産が全て返ってくるわけではありません。一部しか返ってこない信託保全もありますし、資産だけでなく含み益まで守ってくれる信託保全もあります。
信託保全の種類は3つ
FX業者各社でどのように信託保全制度を導入しているかは違っているのですが、大まかに分けて3つになります。
- 分別保管
- 一部信託保全
- 完全信託保全
分別保管は自社内の中で会社の資産とは別に顧客の資産を管理する方法。一部信託保全は一部を別の金融機関に預け、また一部を自社内で自社資産と分けて管理する方法。そして完全信託保全とは、顧客が預け入れている資産を全て別の金融機関に預ける方法です。
またそこまで気にする必要はありませんが、信託保全をどの時点で決定するのも違いがあり、これは週ごとに保全する週次保全、日ごとに保全する日次保全に分かれています。どちらかと言えば、日次保全の方が細かく保全してくれるので安心でしょう。
この中では完全信託保全が投資家にとって最も良い形態です。万が一、何かあっても自分の資産は別のところにあり全て返ってくるのですから、出来れば完全信託保全が良いでしょう。
保全される範囲にも違いがある
ただ完全信託保全だからと言って万事解決ではありません。保全してくれる範囲にも違いがあります。
- 預け入れた資産だけを保全する
- 預け入れた資産に加え、含み益も保全する
どちらも預け入れた資産を保全してくれる点では違いがありませんが、含み益も保全してくれるのかどうかが変わってきます。
スキャルピングやデイトレードをメインスタイルとしているトレーダーには関係性が薄くなりますが、比較的長く保有するスイングトレーダーや、半年一年以上と保有する長期投資家にとっては含み益まで保全してくれるのは非常に嬉しい点です。
もし含み益を保全してくれなかったら、ポジションを取ってもドッシリ構えていられないですからね。なので長期投資をメインでやろうとしているのであれば、この保全範囲にも注意してFX会社を選ぶべきでしょう。
FX会社が倒産しない、ということは無い
日本ですと会社が潰れたという話自体をあまり耳にしませんが、海外のFX会社はよく潰れることがあり、海外のトレーダーが資産を失ったというのも珍しくありません。
資産を失うばかりか、会社に資産の返還を要求したらタコ殴りにされたとか、正当な要求に対して暴力で対抗された例も存在します。
日本のFX会社がそういう物騒なことをするわけは無いと思いますが、金が無ければ金は返せませんので、投資家として万が一のリスクに備えてFX会社選びをすることは重要です。