証拠金制度を用いてレバレッジが大きく掛けられるFXの世界では「マージンコール」という用語があります。
FXを始める前の初心者にはなんのことだがサッパリわからず、FXで資産運用を始めてから数か月経った時にFX会社から「追証を支払ってください」とメールが来て初めて気づくなんてことは往々にしてあります。
さて、このマージンコール(追証)とは何なのでしょうか?FX会社に通知に従わず、支払わなかったらどうなるのでしょうか?
追証とは証拠金を補うこと
FXでは証拠金制度というスムーズかつレバレッジを掛けることが出来るシステムで取引されるのはご存知だとは思いますが、実はポジションの大きさと評価額によっては追加で証拠金を増やさなければいけなくなる場合があります。
それがマージンコール、追証です。
どういった基準で追証を求められるかと言いますと、ポジションを建てると証拠金維持率というのが算出されます。これは今いくらぐらい割合で証拠金を使っていますよ、という値です。
そしてFX会社各々によって既定の数値は変わるのですが、決められた数値を下回ると追証が発生し、証拠金維持率を回復させるための入金を求められます。
この入金ができなかった場合、証拠金の大幅な損失を防ぐため自動的にポジションを解消されてしまいます。これが世にいうロスカットというものです。
追証には期限がある
追証が来たことがある人なら通知の中に期限が載っているのを目にしたことがあると思いますが、ロスカットの事前告知である追証には期限が存在します。
告知している期間にも容赦なく刻々一刻と相場は変動しますから、損失を防ぐシステムであるロスカットまでの期間が短いのは当然といえば当然のことですね。
そしてこの追証の期限についてなのですが、大抵は翌営業日(ニューヨーク時間)終了までに証拠金の補充をしないとポジションを強制的に解消されるのが一般的です。
唯一、金曜日に発生した際は翌週の火曜日のニューヨーク時間終了まで長めに期間を取られるように配慮されている場合が多いです。
100%を下回った状態で翌営業日を迎えると発生
多くのFX会社では証拠金維持率が100%を下回った状態でニューヨーク終了時間を迎えると発生>します。
なのでそれまで90%ぐらいで推移していても、ニューヨーク終了時間に100%を上回れば、その後すぐに100%を下回っても追証は発生しません。これは逆も然りで終了時間まで100%を上回っていても、終了するわずかな瞬間でも100%を下回れば発生します。
そして残念ながら相場の変動により証拠金維持率を100%以上に回復したとしても、危険なポジションだと見なされマージンコールは解消されませんので、当然、証拠金を補充しなければポジションは自動決済されます。
急なマージンコールに対応できず、ポジションを自動決済されてしまい、挙句に為替レートが自分の思惑通り動いていったというのはFXあるあるの一つです。
ポジションを取る際は、どこまで自分の思惑とは逆に変動するかを予測しながら、その予測の範疇の変動でマージンコールが来ないよう、証拠金維持率に気を配りながらポジションを建てるようにしましょう。